[00:31.29] そう 狂った九夏の怪談 [00:33.17] 逢魔が時 ひぐらしが告ぐ [00:35.04] 飼い馴らした傀儡が選ぶその目は誰? [00:38.81] 「まあちゃんちゃらおかしな口承」 [00:40.69] 災禍の凶兆をご覧よ [00:42.47] 夥しい蝶の死骸が参道に散らばっていた [00:53.48] 掻い潜った市街の喧騒 [00:55.34] 境内から響いた嚮導 [00:57.17] 灯籠 石畳の階段 [00:58.89] 踏み入る少女 [01:00.84] 「もういいかい」「もういいかい」と問うが [01:02.93] 鬼の声は聞こえず [01:04.52] 静寂裂く鐘の音さえも届かない [01:07.76] 「嗚呼、かしこみ かしこみ…」 [01:09.94] 手弱女の聲と火の音が籟籟と [01:15.09] 「懸けまくも畏き大御神」 [01:18.78] 今 夜宴が始まる [01:22.76] さあ華やいだ怪奇の世に [01:24.72] 喰らって奪って掻き攪せ [01:26.55] ようこそ [01:27.08] ここは泥犂の街 狂い啼け化け物よ [01:30.34] さあ散れ災禍 百鬼の群れ [01:32.06] 蛙鳴蝉噪を蹴散らして [01:33.87] 拝する愚民 眼を伏せて [01:35.63] 心臓を抉り出した [01:52.52] そう 狂った九夏の怪談 [01:54.35] 今日も一人 誰かが死んだ [01:56.22] 半夏雨がザアザア降って幽霊塔が消える [01:59.99] 空気中を漂うように泣きじゃくる声が聞こえた [02:03.57] 訝るのも許さぬ幻想 突き落とせ [02:07.14] 石造りの祭壇で襦袢の少女が目を覚ます [02:10.87] 「かあさま、どうしてそんなにも泣いているの?」 [02:14.48] 悄然として立ち尽くす祭服姿の父と母 [02:18.15] その四肢 双眸 髪 すべて 贄せよ [02:21.84] ああ [02:22.26] 一夜で散る花も 久遠を征く鬼の子も [02:25.52] 死生有命の輪の中で等しく囚われる [02:29.30] 冥い迷道でひたひたと重なり合った足音が [02:32.96] 九夏の怪談を連れて忍び寄る [02:36.67] さあ華やいだ怪奇の世に [02:38.51] 喰らって奪って掻き攪せ [02:40.38] ようこそ [02:40.89] ここは泥犂の街 [02:42.12] 狂い啼け化け物よ [02:44.05] さあ人間 赦しを乞え [02:45.90] 糜爛 神罰 盈虧 濫觴 [02:47.68] 嗚呼、神を呪えど [02:49.11] こんな人生は変わりゃしない [02:51.25] ほら [02:51.76] また目を背けて [02:54.40]