[00:01.92]どうぞ、話して [00:09.99]「それは遠い昔のこと。 [00:16.91]僕は幼く、体も小さく、 [00:23.62]一人きりの日々で。 [00:30.67]いつしか、隣に [00:37.18]似た風の人がいたんです。 [00:43.81]とても幼く、体も小さく、 [00:50.77]一人きりの少女 [00:57.58]僕らは毎日、話をしたんだ。 [01:04.30]声も名前も、思い出せないけど [01:11.46]雲が流れたとか、花が咲いたとか [01:18.21]それだけで良かったんだ。」 [01:28.57]それは恋よ、グレゴリオ [01:32.27]暗い夜の淵でも、 [01:35.97]一人手探りのまま、ゆけるようにと [01:42.33]誰かがそう、残した [01:45.79]淡く燃える光よ、 [01:50.09]忘れないで [01:58.45]「傘を濡らして [02:05.13]二人で歩いたんだ [02:11.59]跳ね立つしぶきも、雨蛙の声も [02:18.45]鮮やかに覚えているのに。」 [02:25.21]いいえ、 [02:28.29]思いたせないこともあるでしょう? [02:38.15]誰もすべてを、心の隅っこに [02:44.90]おいておける訳じゃないのよ。 [03:21.91]「悲しいことは思い出せないこと [03:30.02]それも忘れてしまうこと」 [03:40.31]泣かないでグレコリオ [03:44.83]盲いたその目では、 [03:48.38]正しさは曇って [03:52.73]見えないとしても [03:55.34]私が教えてあげる、 [03:58.63]その話の続きを、 [04:03.24]さあ! [04:08.51]「これが、恋」とグレゴリオ [04:12.27]暗い夜の淵では、 [04:16.08]一人手探りのまま [04:20.38]歩けないのだと [04:23.06]杖になり寄り添ったまま、 [04:26.21]折れてしまうその日を、 [04:30.48]怖がりながら [04:35.69]これは恋よ、グレゴリオ [04:39.44]暗い夜の淵では、 [04:43.10]貴方無しではもう、 [04:46.75]歩けやしないよ [04:49.96]微笑んでグレゴリオ [04:53.36]雲が流れたんだよ [05:00.01]ねえ