[00:38.79]雪花石膏(アラバスター)の背骨を [00:41.78]軋ませ歩くこの現世は [00:46.46]なぜこんなにも醜く穢れに満ちているのでしょうか [00:51.69]わたしは今日もひとり 脇目ふらず [01:04.63]繻子の沓 泥塗れようが [01:08.94]ただ歩いていたいのに [01:12.60] [01:20.58]声をかけるのは誰 [01:25.26]肩を掴むのは何 [01:29.96]厭わしい者らに湛えた [01:35.48]微笑は蒼白の蝶 日常に舞う死 [01:41.40] [01:49.49]今はどこにいるの [01:54.03]わたしの愛しい [01:58.48]妹たち お姉さま [02:03.08]頽れる夜に問う [02:09.03] [02:26.80]かつて麗しの森 [02:31.56]同じひとつの茎に [02:36.60]連なり咲いたわたしたちは [02:41.40]ああ美しい白百合 月光の愛人(ラマン) [02:48.04] [02:58.23]忘れぬ 薫りを [03:05.74]風間に 放って [03:16.00] [03:19.78]しずかに声 合わせましょう [03:22.80]烟る靄は 震える [03:25.64]共に謳い 夢を交わし [03:29.02]甘い眠り 分けあい [03:31.81]たとえ時を隔てたとて [03:34.97]つながる 指先 銀の糸 [03:41.56]ひろげた胸 重ねましょう [03:44.82]濡れそぼって 零れて [03:47.64]金華の珠 月花の種 [03:51.13]また互いを身ごもる [03:53.92]けして人が持てなかった [03:57.34]愛という美学は ここに在る [04:04.68] [04:30.59]鳩血紅色(ピジョンブラッド)の心臓 [04:34.10]潤ませ視るこの現実は [04:39.76]なぜこんなにも乾いた哀しみが溢れるのでしょうか [04:49.17]わたしたちはひとりも 朽ちはしない [04:57.02]白百合の記憶を抱きしめ [05:01.13]ただ歩いていくでしょう 息絶えぬように [05:08.65]