[00:16.07]うつらうつら居眠りの只中に、 [00:22.60]遠くから音がする [00:30.96]しだいしだいに近付くその音に、 [00:37.59]つられて家を出る [00:45.96]ひっかけた下駄の鼻緒が擦り切れて、 [00:53.49]おまけに夕立に振られちゃ、もう拍子抜けさ [01:09.23]取り繕った下駄を履き直して、 [01:15.82]どうにか、家を出る [01:24.30]今年もまた、お見掛けできるだろか [01:31.13]杏子屋娘は [01:39.59]橙色した灯りに照らされて [01:46.79]うすい紅の君が振り返る [01:54.38]あの時はまだあまり知らない [02:01.61]したたる蜜を眺めてるだけ [02:09.54]甘い香りと青いかんざし [02:16.90]素足についた夕立の跡素足についた夕立の跡 [02:32.88]困った君のそば枕湿らす、困った君のそば枕湿らす、 [02:39.82]暑い夏の夜