少女人形 作词 : 凋叶棕 作曲 : ZUN ゆらめく光彩の中 包まれる繭のように 揺れる 揺れる その手を翳す 光の中へ その目を開いた刹那 その目に飛び込む光景(光) 無数 無数 同じ顔の少女たちの中で わたしは誰で 誰がわたしで あなたは誰で 誰があなたで みながひとつで ひとつの顔で 『主(わたし)』の声が届かないは どうして 自由に動くその素体(身体)が その意志のままに動くだけで その心を操る糸が ないと ど う し て 言い切れるの? あなたが生きてきたその世界(現実)が あなたのただの幻想(夢)ではないと 誰も保証してくれないのに そうと ど う し て 信じられるの? ほら あなたはただのヒトガタに 過ぎないのに ねえ? 虚ろになる 己の自意識が 削られゆく 己の拠る場所が 縋るべくは 残されたものだけ その名だけが 己を繋ぎとめる楔が しかるに その名は 名乗ることを許されない この罪人形(罪人)は アリスを偽称罪(名乗)り アリスを詐欺罪(騙)り アリスを剽窃罪(真似)し アリスでないのに アリスであるという 下されるのは かくも無慈悲な判決 アリスという名を名乗りながら アリスという言葉を重ねて それだけであなたがアリスで あると ど う し て 言い切れるの? あなたはただの生けるヒトガタ その全ては作られた幻 それを誰も否定しないのに さあ 目覚めよ! 偽りに塗れた夢から さあ 贖え! これこそお前の真の姿 独り途方に暮れる少女≒人形 仰ぐ視線の先に『己』の姿 一人優雅に笑う少女≠人形 己と同じ顔がかくも恐ろしく その心だけが知っていよう 己が己たるその所以 しかるに儚いエゴと帰す それが ど う し て 正しいのか? 己が手がけた人形(身体)でさえ それが心を宿したのなら その心は真正だと そうと ど う し て 信じられるか? もう 自分はただのヒトガタに過ぎないのか……?